会いたくなかった
会いたくなかった。
いや…そうじゃなく、心の準備も出来ないまま…今はまだ何を話して良いかすら分からない。
僕はこの日、部活で使用するアクリルガッシュを買う為に、都内の複合ビルに入ってる画材屋に向かう所だった。
人の波にまみれて歩道をわたる。
そんな波の中で、どうして目が合ってしまったのか……
カイトは、多分僕が初めて見る私服姿で、大人びた黒いコートとタートルに細身のデニム。金髪を後ろで大雑把にしばって、一見、とても僕と同じ高1には見えないな。
そして隣には僕の知らない(多分同世代なのかな)オトコと一緒だった。
「ユキ」
「……久しぶり」
僕が次の言葉を探して、何か言い出そうとした瞬間に、カイトの隣にいた細面の«ソイツ»が口をはさんだんだ。
「誰?カイト その女みたいな奴」
「っ!!!」
あまりの見下された物言いに、僕は唖然とする。
そのトータル的な高飛車度は、初対面の珠子以上かもしれない。
「悪いけど、アサヒ お前先帰って」
「なんで?そいつと話あんの?」
「いいから帰れよ 後でメールする」
そうカイトに言われた«アサヒ»が、去り際に僕に冷ややかな視線を送る。
いったい僕がお前に何をしたっていうんだよ!!…と、心の中で一応叫ぶ…





