そんな友達が
「アサヒだよ 僕を殴ったのは」
僕はカイトを見てた。
その名を聞いて、カイトは怒りから戸惑いの表情に変わった。
感情の矛先をどうしていいか分からず
明らかにカイトは落ち着かない。
ほら見ろ…………
「カイトは… あいつには怒れないだろ?」
僕がこんな目にあっても
アサヒはカイトに«抱かれた»事がある。
それが友達?
そんな友達があるか?
「アサヒはユキに 何を…言ったんだ?」
「嘘つきだ…カイトは」
アサヒはカイトが好きなんだと思う。
僕を好きなカイトは嫌いなんだと思う。
カイトは…アサヒを庇う。それは…………
「僕じゃ無くて…あいつとつき合えばいいだろ」
カイトの試合を見てはしゃいだ自分がバカみたいに思えてきた。
大体、バスケなんか好きじゃないのに…
僕は何も言えずにいるカイトを残して、その場を後にする。
腹立たしいのになぜか涙があふれて
それが冬の冷たい風で乾いても、またあふれて…
僕は人に見られないようにうつむいて、早足で校門へ向かった。




