ノクターン
海の底に沈むか…それともこの身体を灰にして
あの空の何処かに消えてしまう事が出来たなら
でも
君を独りこの世に残して行く恐ろしさの前では
その願いさえも
あまりにもくだらない、夢のように思えるんだ…
『それとも君はもう… 僕の手を離して 生きていけるのだろうか?』
(せんぱい……?なに………?)
『愛してるよ… ユキ… 結局オレもこんな事言うのか…』
(??)
『愛に換わる言葉がみつからない… 本当はもっと深くて神聖で残酷なものであるべきなのに…』
その朝は
初夏の日差し照りつける
海と空との境すらあやふやになるような
雲一つない青空だった。
道の所々に植えられた木々が、きらきらと光合成して風に揺れながら光っている。
僕は学校への道を、昨日家に泊まった珠子と歩く。
「結構上手くいってんじゃん? ご両親や サクちゃんと」
「まあまあ…かな いつまでも子供みたいにすねるのもどうかなとおもってさ…」
「あはは な〜まいき言っちゃって! ガキのくせに!」
「ガキじゃないよ 僕はもう高2だし」
そうよね〜と珠子がまた大口を開けて笑う。
その珠子の横顔を見てから、空を見上げた。
鳶が高音の鳴き声を発しながら、翼を広げ大きく旋回している。
「ああやって、地上を見下ろせたら素敵よね?」
僕の隣で、珠子も立ち止まりそれを見ている。
「あたし 前は生まれ変わったら絶対鳥になりたいって思ってたのよね」
も…猛禽類だろうか?
「でも今はね… やっぱり人間がいいかな」
「そう」
僕は
どうなのかな…
そんなたわいのない話をしながら、駅前通りまで来た。
左向こうの商店街に入る路地あたりに人だかりが出来ていた。
「やだ… 救急車じゃない」
電柱に突っ込んでフロントがひしゃげた乗用車
救急車と、しゃがんで何かをしている救急隊員、みまもる人々
道路の端に…やっぱりハンドルの辺りが変形してしまった自転車と血液らしき影
「行こう あたしああいうのダメなのよ」
「珠子…」
「ほら!遅刻しちゃう! 電車来るわよ」
行けない……
「珠子… あの 自転車…」
「え……?」
僕は知ってる
珠子だって知ってるはずだ…
珠子が僕の指差す自転車を見て、両手で口を覆い、僕は確信する。
あれは僕を愛していると言ってくれた、鷹木先輩の自転車だ…
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コメント
お久しぶりにコメントさせて頂くのですが・・・
なんか、なんか、とっても切ない展開じゃないですか?? 胸がぎゅうっとなって文が読み進められないですぅ・・・(涙) 皆ハッピー、というワケにはいかないのですね・・・やっぱり・・・
それでも続きを大人しく待っております。 では。
投稿 そめ | 2008年5月 8日 (木) 01時39分
管理人です。
←絵文字だけでも明るくしてみました。
いや、小説むつかしいです…
そめ様。ご訪問&コメントありがとうございます
すいません(汗)自分でも鷹木をあんな事にしてしまう事に胸が痛んでます…最終的にユキにとっての幸せがどんなものなのか、とりあえずそこを目指して考えているのですけど、もうどうしようか、どうしようかと日々悩みまくっています。せめて彼には笑って最後の回を迎えてさせてやりたいとは思っているんですけれどね〜
投稿 ウメキチ | 2008年5月 8日 (木) 02時24分