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2008年6月

カナリアの気持ち

病室の窓辺に置かれた銀色の鳥かご

その鳥かごはなぜが扉が外されていて

中には一羽のカナリアが、せわしなく身体を動かしている。
 
「………」
ベッドの上で ルイが静かにその赤い目を開く。

眩しそうに何度か瞬きをしたあと
椅子に座る俺に気付いて 少し驚いた様な顔をする。

「ま さ む ね は …?」

途切れ途切れの 弱々しい声だった。

「ああ…あいつ さっきまでは居たんだけど どっかに報告があるとか言って 出て行った」

「こんなんじゃ もう使いものにならないって 言いに… 行ったのかな…」

ルイがあんまり哀しそうに笑うものだから

胸が苦しくなって気の利いた言葉を探す事が出来ない。
 
オレはただ、天井をぼんやり眺めるルイのキレイな横顔を黙って見つめているだけ…
 

「そのカナリア… 正宗が 持って来たのか?」

「あ、ああそう お前が飼ってんだろ」

「そいつ 逃げないんだ 空にはなっても帰ってきちゃうし…」

 

鮮やかな黄色の羽を持つそのカナリアが

首をくいくいっと動かしながら カゴの中で自分の羽をついばむ。
 

ルイは相変わらず 天井だけを見ている。
 

「きっと… オレがいなくなったら死ぬんだろうな…」
 

「ルイ?」

放たれた死という言葉に、ギクリとなる。

屋上で倒れた時のルイの苦しむ姿は、この前の音楽棟の時の比ではなく
息も絶え絶えに
胸を押さえ声も出せないでいたルイに
オレは確かに
死の影のようなものを感じてしまった。
 

「なんで そいつ… 逃げないんだろうか…?」
 

ルイが呟く。

オレはやっぱり何も言えなくて

ベッドの上に投げ出されたルイの白い手を握る。
 

五経土御門とは、さかのぼる事900年前から続く陰陽師の家系だという。

オレがこの目で見たあの信じられない光景は 

きっとその脈脈と続く血の力なのか

もしもそうだとして それが その血こそが 

ルイの命を 己の血肉を食らっているのではないだろうか?

カタン

その時、ルイのカナリアがカゴから飛び出して、病室の天井を一巡りしたかと思うと

オレの肩にとまった!

突然の事にびっくりして肩を緊張させるオレの顔を、ルイが見上げる。

そして

初めて見る様な 自然な とてもおだやかな表情で微笑んだ……


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一つ目の生き物の孤独

見間違い?
僕の瞳には未だ沢山の白い鳥達が映っているのに…
 
 

鳥?
もしくは一つ目の 不気味な 翼の生えた なにか 

一瞬時間が制止したような静寂を感じた。

オレに背を向け立つルイと、その傍らに従う鳴滝。

腰が抜けたようになって何も出来ないオレ…
 

進路をこちらに向けた敵国の戦闘機のまわりをさらに数を増した鳥達が覆う。

覆って
黒い機体が真っ白になる。
動揺するように尾翼が激しく揺れた。

そして
 
 
 

うわあっ!!

凄まじい轟音と暴風!!

オレは身体を飛ばされそうになって、咄嗟にうつ伏せの体制をとりなんとかこらえた。

「……………!!」

同じだ

あの日と同じ

「ああ……」

目を開けると空には、爆発して木っ端みじんになった敵機の残骸 いや 殆ど塵だ…

鉄が燃える激しい匂い。

しばらくして、後方から飛行して来た帝国軍の戦闘機2機が、それを確認したように旋回して進路を変えた。

空からは羽が
死んだであろう鳥達の羽が、散華のように舞って消えた。

(違う 撃墜されたんじゃない……)

「ルイ?! ルイ達は?!」

我にかえり、二人の姿を探す。
いや探すまでもなく、ルイも鳴滝もあの爆風の中、さっきの場所から身動きせずに居た。

まるで何事も無かったかのように。
 

(嘘だろ?あの爆風だぞ?)
 

「ま さ む ね」
「ルイ様!!」

そこに立ち尽くすルイの身体が、

さっきまで空を舞っていた羽のように

ゆっくりと崩れ落ちた。
 
 
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無数の白い鳥

「なんだ?!」

空襲警報にわずかに遅れて、機械的な校内アナウンスが流れる。
『避難命令 全員地下のシェルターに退避しなさい 避難命令… 』

空を見渡す。
未だ敵機らしい影は何処にも無い。

敵襲なんて
あの日以来

「おい!! お前ら! エレベーターで地下まで降りるぞ! 早くそのバカ起こせよ!!」

一向に慌てる気配のない鳴滝を急かす。

ウーウーウー
空襲警報は止まない。

「ルイ…… «SW06» 任務ですよ」

自分の肩にもたれる土御門ルイに鳴滝が囁いた。
さっきまで、オレ達の喋り声にもなんの反応もせず眠りこけていたルイが、静かにその目を開く。
 

目を開き

鳴滝の肩をたよりに立ち上がり

空の向こうをじっと見る。
 

その時、地上から吹き上がる様な強風が屋上のオレ達を襲った。
 

「敵戦闘機が5機 爆撃機1機 国境から霊的防衛網を抜けて帝国領内へ侵入 内戦闘機4機の撃墜には成功 他1機は迎撃に失敗し損傷は0 目下爆撃機とともに帝国空軍機が追撃中。丑寅の方向より後2分28秒で五経市都市部上空に侵入する」

「防衛網がくずれましたか?」

「どうせはりぼてだ 得体の知れないはぐれ陰陽師などを当てにするから」

「おい!! 何やってんだ!! 早くっ」

オレの存在をまるで無視するように、二人はなにか分けの分からない事を喋り続ける。

「死んでもしらねぇぞ!!」

叫ぶ。
 

「ハハハ だそうだ… 正宗 お前逃げてもいいんだぞ」

「ご冗談を 貴方をおいて 何処へ行けますか」
 

なんなんだっ!!
こいつら殴り倒してでも…

そう思い二人に近づく。

鳴滝はその表情から笑みを消し、跪くと 懐から何か、短刀と半紙のような物を取り出し両の手を添え、ルイに差し出した。

「来た!!」

空の向こう
キラリと光を感じた次の瞬間に それが戦闘機の形をしている事に気付く。


くそ!!

っ!! え?!

オレは走ってルイの腕を掴もうとして触れた瞬間 何かに弾かれたように 自分の身体が宙にはね飛ばされた。

ルイは短刀を抜いて空に掲げる。

そしてその刃で自分の指先をを切ると、その流れる血液で手渡された半紙に文字なのか絵なのか分からないような物を手早く描いた。

そしてそれがいつの間にか、さいの目大の紙切れに切られ 

ルイがそれを空へ放つ。

目の錯覚か

その紙切れが 無数の白い鳥に見えた。

『…………………………』

呟きは警報の音で聞き取れない。

また強風が起こりオレは思わず目をつむった。

「へえ 新型じゃないか……」

ルイの感心した声に何の事かと目を開いたその時

オレ達の居る数百メートル先に 敵国の戦闘機が迫っていた。

 

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こうなるまえに、逃がしたかった…

「……ずいぶんと奇遇だな おい……」

全く集中できず…どうせこんな事ならと仮病を使い授業を抜け出して屋上へ…

あいかわらず雲一つない、押しつぶされそうな青空。

「まだ授業が終わる時間じゃないだろう?」

鳴滝だ。
屋上の鉄柵を背に腰を下ろし、文庫本の様なもの読んでいる。

その隣、ルイが鳴滝にもたれかかって…どうもうたたねをしているらしい。

鳴滝は最初にちらりとオレを見ただけで、後はもう興味が無いとでも言うかの様にずっと本を見ていた。

「お前らに言われる筋合いはねぇよ 大体…転入早々サボって昼寝とはいい身分だよな!」

二人に近づいて、2、3歩離れた辺りでルイの顔を見下ろした。

熟睡 というのか

ぴくりとも動かなければ寝息も聞こえない。

ただ時々、微かな呼吸に前髪が揺れる。

「4日ぶりの睡眠だ 声を落とせ」
「え?は… 4 日?」
 

「不眠症に…自律神経失調による情緒不安定 重度の貧血 心機能に加え呼吸器障害」
 

「え……………」

「貴様がこの前聞きたがってた事だろう?」
そう言うと、鳴滝は持ってた文庫本をぱたんと閉じた。

閉じて

今度はしっかりとオレを向いて、また静かに語る…

「オレは こうなるまえに ルイ様を逃がしたかった」

「な なあ鳴滝 こいつ…入院とかしなくていいのか? そんなに悪くて なんで…」

起きてるルイを見ている限りあまり分からなかったが
こうして眠ってる顔を見ていると、なんだか酷く疲れきっているようにも見える。

「貴様が忘れてしまう様な下らない願いを 限界を超えてまで叶えてやろうというのだから…ルイ様もどうかしているんだ…」

鳴滝の大きな手がルイの頬に触れる。
オレは思わず目を反らした……

「ね 願い…って だからなんなんだよ オレはお前らなんか知らない」

華族様なんかに戦災孤児のオレが言葉を交わすなんて有るわけが無い。 

「…………」

?!

ハッとして空を見上げる。
 

ウーウーウー
 

空 襲 警 報 だ!
 

この時

真っ青な空に

いつかみたいな空襲警報が鳴り響いていた。
 

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朝のショックな出来事

「光と影!それだと思うのよね!」

「…………影〜?」

「美しい主人公には影のように付き従うニヒルなキャラがいるものなのよ」

「ニヒル〜 なんだよそれ?」

「鳴滝君って子供の頃からルイ様と一緒に暮らしてたんですって…はあ…少女マンガみたい… 素敵shine」 

「あっそー …なんだよ朱里お前 今度はあの根暗そうな奴がいいのかよ」
「あれぇ? ぷぷぷ〜っ東洋ったらひょっとしてやきもちい?」
 

ちがう!オレは土御門なんか好きじゃねーんだよ!
 

「…………は? 何言ってんのよ東洋……」

「………………」

朱里は今日もルイや…鳴滝の話で朝からテンションマックスだ…

オレはというと…朝のショックな出来事からまだ立ち直れていない…

(オレなに出してんだよ………………………)

夢の内容はあまり憶えていないが、あいつが出て来た事は確実で

(なんで男の夢見て夢精してんだよ…………)

落ち込みすぎて洗面所でしばらく動けなかった………

(ひょっとしてもう勃たないかもしれない………)

また血の気の引いて来たオレの顔を、朱里が不審がって覗き込む。

「今日の東洋なんか変〜」

「はああ……お前にはさ 一生理解出来ない事だと思う」

「なによ〜」

禁欲だ禁欲! なんだか分からないが気持ちが緩んでる証拠だ!
こんな事で帝都の大学に入れるか!
昨日だってろくに勉強も出来なかったし…そして寝て起きたらあんな事に…

とにかく! もうあいつには関わらない!!

「なあに?その謎の気合いは」

「どうとでも言ってくれ」


 

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余韻の音色

『東洋 お前はまだ この世に希望があるって 信じているんだな?』

(あいつがいったい何を言わんとしているのかオレにはさっぱり分からない)
(希望はあるさ この街を出れば オレは自由になる)
 

寮の部屋で机に向かう。

夜を勉強に充てられるのはせいぜい週二か週三だ。

貴重なこの時間は有効に使わないといけない の だが……
 

さっきまで携帯で怒れる朱里をようやくなだめ、気付けばもう日付をまたいでしまった…

「ああっ! くそっ」

キスなんて初めてじゃないだろ?

誰かの肌に触れるのだって初めてなんかじゃない!

しかも相手はあのクソ生意気な土御門ルイで……

(大体あいつオレに蹴りまで入れたんだぞ!)

あいつの涙なんか見て、なんか感極まって、………まさか感じてしまい それをあいつに気付かれて罵倒され……

「屈辱だ…………」
なにが女じゃないだ…
べつに女だと思ってなんかいないけど

あいつだって

オレを拒まなかったくせに……
 

「………あいつどっか悪いんだろうか?」
 

胸を押さえて苦しそうだった。

鳴滝に抱えられて行くときも、顔色は悪いままだった。

鳴滝に
当たり前のように腕をまわして…………

「ああっ もうっ 集中出来ない!!」

机に頭を何度もがんがん打ち付ける…
痛いばかりでどうにもルイの事が頭から離れない。

(肌や 唇の感触とか………)

「…………… 重傷だ …………」

深くため息をついて、立ち上がりベッドに横になる。

目を閉じると耳の奥から、ショパンの音色が聞こえてくるようだった。

「母さん……」

そうだ。
あいつが夜想曲なんて弾いたりするから、おかしくなってしまった。

そうさ。
オレはあいつなんて好きじゃ無い。
 

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正宗とルイ.3

鳴滝正宗side

ガラス窓に囲まれた、庭の見渡せるテラス テーブルを真っ白なクロスで覆い仕度をする。

「こっちがレモンタルトで ルイ様の手前にあるのがイチジクのタルトです 今切りますね」

「………なんだよ これ」

「ルイ様に早く元気になっていただきたいので 厨房を借りて僕が焼いたんです。レモンとイチジクはお庭になっていたものですけど」

「嘘だ… 子供にこんな事できるもんか」

「嘘じゃありません。 僕は嘘はつきません」

「…………」

芙蓉様が亡くなって、さすがのルイ様も酷く気落ちしていたようだった。
僕の前で涙を見せた事はないけれど、朝会うと必ず目を腫らしている。

この大きな屋敷には大勢の使用人がいたけれど
その悲しむルイ様をちゃんと慰める大人は一人も居なかった。

そもそも土家という所は死に対する概念そのものが変わっていて

死後すぐに芙蓉様は神格化され、その死や生前の思い出について語る者は誰も居ない。

なんだかそれは…酷く冷たい事のように感じて
僕は子供らしく泣く事も、そして甘える唯一の存在を失ったルイ様に同情していた。
 

「こうやって暖めたガラスのポットに刻んだフルーツをたくさん入れて、…熱湯をそそぐと フルーツティになるんです。ほら色も出てくるでしょう?」

数分経ったところでカップに注ぎ、これも庭で採って来たミントの葉をそこに浮かべる。

「……甘い 匂いがする……」

「そうですね さあルイ様 お口を開けて下さい」

僕は切り分けたレモンタルトを、さらに一口大にフォークで切って それをルイ様の口に入れた。

「いかがですか?」

「……………」

ルイ様はちらりと僕を見てから、うつむき加減でもごもごと黙って食す。
文句を言わないのは、不味くはないという意思表示だ。

ルイ様が自分から口を開けたので、また切ったタルトをさっきと同じようにする。
 

(まるで親鳥がひな鳥にエサをあげるみたいだな)
 

「何笑ってんだよ 正宗……」

「いえ…すいません なんか 可愛いなあと思って」

ルイ様が悪態をついたり、僕にカエルやトカゲを投げつけたり、屋敷から脱走しようとするのを追いかけたりするのは散々だったけど…
僕はルイ様が悲しんでる姿を見るのがなぜだか一番嫌だった。
 

「………おいひい………」
 

「え?…ルイ様 なにか言いました?」

「………なんでもない!」

「あ〜… ひょっとしてちょっと酸っぱかったですか?すいません次はもっと甘く」

突然ルイ様が僕を睨みつける。

おいしいって言ったんだよ!!

そして気まずそうに目を伏せた。 
その瞳から涙が ぽとぽと 落ちる…

「ルイ様……」
「もっと」
「はいはい」

そばに居てあげないと 僕はこの時初めてそう思った。

そばに居たい…… そうも思った。

僕はルイ様の事が好きだった。

 


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正宗とルイ.2

鳴滝正宗side

僕は五経土家と同じく、この地に九百年と続く鳴滝本家の次男だ。

«鳴滝»とは姓さえ異なるものの、元を辿れば、土家と先祖を同じとする遠い分家のような物らしい。

九百年もの間、鳴滝は五経土御門の直ぐ足下に控え当主やその一族をお護り奉る。

土家がこの国の鬼門を護る事を、末代までの使命とするならば

その土家を命を投じても護るのが鳴滝の絶対の家訓であり存在理由でもあった。
 

ちょうど僕はルイ様と同い年で、良い勉強相手になるであろうと
士官学校に入る前の数年間を、ルイ様の屋敷で過ごした。
 

ルイ様! 昨日僕のベッドにカエルを入れたでしょう!!

「さ〜ね〜 勝手に入ったんじゃネーの? ケケケ 正宗のビビリ野郎」

「ルイ様!!その下品な言葉遣いは止めてくださいと言ったでしょう? いったい何処で覚えてくるんですか?」

「もう勉強飽きた」

「まだ30分もたっていませんよ!!」

「ガリ勉!!鳴滝ガリに改名しろ!」

「黙って問題を解いて下さい!annoy
 

ルイ様はその天使のような美しい顔で、信じられないような毒を吐く…

時には凄まじい嫌がらせ。

僕の父から聞いていた、可憐なイメージとは正反対

はっきり言って 苦手だった。
 

「ルイ…… 正宗さんを困らせてはいけませんよ」
「姉上様」

ルイ様の泣き所。それは歳の離れた御腹違いの姉君 芙蓉 様だ。

「お返事は? ルイ」
「……はあい」
渋々。

芙蓉様は、早くに母上様を亡くされたルイ様にとってはまさに母親代わりのようなお方で
ルイ様は芙蓉様には逆らえない。

とても30を越えたようには見えない娘のような美貌。
そして僕らの勉強部屋を時々訪れては、優しげなまなざしで見守って下さったのを憶えてる…

まなざし…………

土御門芙蓉は生来の盲目で

そして

千里眼

彼女もまた土家の一員として、五経を護る国境軍での一役を担っていた。

芙蓉様には僕らの目には見えない物がすべて映っていたという。


だがある日

彼女はその力を使い果たし命を落とした。


その日、五経の街は初めて敵国の空襲を受けたんだ。

まるで、抱きしめていてくれた母を失い、初めて醜い外界にさらされた…か弱い子供のように


 


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正宗とルイ.1

鳴滝正宗side

五経土御門家はあやしげな所だった。

大きな白壁の洋館に広大な庭、その一角には白バラ園があり毎年春を越えたあたりになると、一面に白い花弁が舞う。
そこは伯爵家らしい上品で贅沢な屋敷だった。
 

…………問題は屋敷の手前にある鬱蒼とした小さな森…………

入口らしき場所には朱色の大きな鳥居

その先には五経土家が崇め奉る御卿土神社があり、精進潔斎を受けた土家に使える者が始終出入りしていた。

そしてその裏手にはまた薄気味の良くない森が広がる。
 

土家の5男としてお生まれになられたルイ様が遊び場としていたのは
テラスでも、コリーが走り回る大きな庭でも、白バラ園でもなく

その神社の先の、光もほぼ届かない 不気味な森だった。
 

わあああああああっ!!!

あはははは ざまあああみろ けけけっ!
 

僕は逃げまわるルイ様を追いかけて、何度もその仕掛けられた落とし穴に落ちた。

何匹ものカエルをその穴に投げ込まれたことすらある。

慌てふためく僕を穴の上から満足げに笑うルイ様の姿。

「ルイ様!! な、なんて事!! お兄様に言いつけますよ!!」

「ぶぁ〜か!!っ そこから上がってきてから言えば〜?!! きゃははっ」
 

出会って間もない子供の頃

僕とルイ様は険悪だった……

僕はその時の恐怖で今でもは虫類が苦手だ。 

 

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雨よ止め そうしたら

まだ僕が施設で生活していた頃

何時になっても止まない雨を 僕は部屋のガラス越しにずっと見ていた。

施設の庭にあるアジサイの碧紫や

遠くの山にかかる白いモヤは美しかったけれど

しとしとと降り続く雨の音が僕には哀しくて

僕はずっと泣きそうだった。
 
 

『どんなに願っても、もうおかあさんは帰ってこない』

『だったらせめて雨よ止め 止んだら 僕は きっとまだ 神様を信じるよ』

 

「なにが哀しいんだ? ルイ……」

さっきから僕のズボンのポケットが振動している。
多分校門で待っている朱里の着信だろう。

僕は携帯を取り、少しだけ開いて直ぐ閉じる。
 

泣き止め

降り止め

そうしたら 僕は 

「………さい」

「え?」

僕がルイの顔を覗き込んだその時、今まで酷く哀しげだったその瞳が

まるで目の前に突然現れた敵を威嚇するように
キッと僕を睨みつけた。

うるさい!!! どけっ!!
ドカッ!!!
「痛っ!!」

ルイが思い切り僕の腹を蹴ったんだ。

「つっ… な、なんなんだよ!人が 心配して」

ピアノの椅子をたよりに、ルイは億劫そうに立ち上がり
腹を押さえて未だしゃがみこんでいる僕に背を向ける。

手には僕の携帯がいつのまにか握られていて、タッチパネルで何処かに手早くダイヤルしている。

正宗!!遅いっ!! 音楽棟だ!早く迎えに来い!!

「お、おい…?!」

そう叫び携帯を切ると、その携帯を床に無造作に投げ捨てる(誰のだと思ってんだ!)…
 

「東洋 お前はまだ この世に希望があるって 信じているんだな?」

「は? なに 言ってんだよ」
 

「お前のせいだぞ… 僕はこの街が無くなったって よかったんだから」

ルイは背を向けたまま 

僕は尻をついてルイを見上げたまま

「わかんねぇよ オレはお前の言ってる事がさっぱり分からない」

正直な気持ちだった。

理解出来ないその言葉に、僕は苛立ちすら感じていた。

「…じゃあこっちなら分かるか?」

「…………」

ルイがやっと振り返る。
怒りも悲しみもない… それでもまだ 瞳は濡れたままだったが。

「僕は女じゃ無い…………」

またカーテンが舞い上がる。
ルイの少し乱れた髪がなびいて、目にかかる。

そして人気の無い音楽棟の廊下の先から
誰かが掛けてくる足音が、教室の中にまで響いていた………。
 


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工君inチェンマイそしておすぎ(サク)

斉藤工君がナビゲートする、プライベートジャーニーシリーズDVDの感想です。BL小説記事ではありません。

今月発売されたばかり!
ウメキチが愛してやまない、斉藤工君が今回はチェンマイへ!

あ〜っ くうっ!やっぱり格好良いなあshine

しかもやっぱり雰囲気まったりしてて…癒。

見終えて(なんか今回はいつにも増してあっという間だった)なんだか幸せな気分に浸ってます←ほんと。大げさでなくconfident

最後の方で贅沢にもふんだんに映されるムエタイシーンも素敵でしたが

別な視点(?)で見所をいくつか。
 

まずは夜のマーケットでタイ版おすぎさんを発見した時の、工君のここ一番(?)のハイテンション!!
この旅でもっとも(?)はつらつとした輝く笑顔shine

おすぎにも気に入られ、めっちゃ楽しそう(笑 それにしも本当に似てるよ…おすぎ)

どんだけおすぎと一緒にいたのか?
一瞬消えたと思ったのに切り替わってまた登場するし〜『みなさいっ』笑 これは工君が教えていた…


これはもう工君的衝撃映像です。

エレファントパークで象の帽子をかぶる… そう さ◯な君的な帽子を…

もはや工君であって工君でなかった、或る意味新キャラ もしくは新境地 そしてアイスを食う。

さすがにこの画は一瞬でしたね〜 
えっ?かぶるの?ってドキッとしました。
(そしてかぶってからまたドキッとしてしまう。)

お土産プレゼントに当選するとあれが届くのか…(笑)

あんな姿はもう二度と見られなそうなので、と て も 貴重な映像だと思います。

最後は
ムエタイ式マッサージと工君の熱くたぎった(そうテロッップがでたんですもの)身体を冷やす、現地のムエタイファイター達……

しかも2回も同じシーンがあったんですけど…

同じようなテロップも入るし 
いや、このシーンはもう説明するよりまず見てくれと言いたいですcoldsweats01

サービス?
サービス映像なのか?

いや べつにどうって事ない何気ないスポーツ後の1シーンなんですけど 
赤面
なんか すいません腐なもんで……
 

もちろん他にも見所は満載でございます。

ムン族の博物館で軽快な動きで(丸太の様な物の上に板を置き、絶妙なバランスをとる)おばあちゃん。

とか

工くん 今 いでらっきょ って言った?!なに?何が?! 

とか

ズボンの内股やぶけた(あのズボンは本当に可愛かった)

とか
…で、またまた大満足の1本です。

タイ編はこれで最終巻なんだそうです。

今度は何処の国を旅してくれるのでしょうか?
はやく見たいけど、今回のチャージでまたしばらくは頑張れそうです(笑)。
(しかし人多いな チェンマイ)

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甘い気持ち

「ルイ………」

自分でもどうしてこんな事をしてしまっているのか分からない…

最初は戸惑いながら、軽く触れた様なキスをして 

唇をルイの濡れたそれから離したものの

次の瞬間に、胸の奥から何か たまらない甘い感情が押し寄せて来て………

もう一度 今度は深く…探るようにルイの口を塞いだ。

「ん……っ 東…」

(この口だ… この唇で花のように笑ったり この舌が意地悪く悪態をつく)
(なんなんだ お前は…… ルイ……)
(そして僕……オレは………)

「んっ…うっ ………っ」 

意外に熱く感じたその感覚

逃げる舌を追いながら、肩を抱いたままゆっくりとルイを床に組み敷く。

さすがにそれには驚いたのか、ルイが僕の身体の下で弱々しく身もだえる……
僕の空いた左手で、シャツの上から胸の辺りをさするとビクッと震えるように細い肩をすくめた。

「くるし… い 息させ…」

ルイが必死に顎を上げて、自由になった口から呼吸を確保する。

「ちょっと タイ ム… 痛 い 東 洋…」
!!

僕はルイがさっき倒れかけたのを思い出して、はっとした。
そして慌ててルイの身体を解放する。

ルイは横たわったまま胸を押さえて、大きく深呼吸をした。

「わ、悪い 大丈夫か?」

「……………なあ東洋…この先は どうなるんだ?」

哀しげな瞳で僕を見上げる。

「どうした……?」

ついに滲んでいたルイの涙がその頬を伝ったのを、僕はおもわず指で拭った。

「答えろ……」

「?……キスの後って事か?」
 

「バカが…そうじゃなくて 僕らの…」
 

静かに まるで呟くようにそう言うと
ルイは僕の手を掴んで 指を自分の唇に押し当てた。
 

ああ……
 

まただ…
朱里にさえこんな感覚を覚えた事は無いのに…

朱里?
なんであいつが出てくるんだ?

ルイは男なのに 

「……………」

この時

僕はルイに止められなければ、セーブが利かなかったかもしれない自分の身体の反応に気付いて…驚愕していた……

 


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君を求める

出会った時から感じていた 僕らの間にある 越えられない柵の様な物…

「鳴滝が必死の形相で探してた… 早く行ってやれよ」

「お前なんかに言われるまでもないさ」

それを踏み越えて

僕らの距離が無くなる事なんて

きっと有りはしないんだ……
 

ルイが片手で鍵盤のフタを閉めて、立ち上がろうとした 時

「っ!!」
えっ?ルイ!!

ルイは胸を押さえて、膝から床に崩れ落ちた。
慌ててルイの傍らに駆け寄り、その身体を抱える。

「大丈夫か?! ルイ!!」

「……………っ」

苦しげに眉間にしわを寄せて、荒い息を必死で整えようとしている。

「ルイ!! 胸か?痛むのか?! おいっ ルイ!!」

大きく揺れる肩をしっかりと押さえる。

触れた頬と額には、暑さの為ではない冷や汗が滲んでいた。

「うるさ …い 気軽 に 名前 で何度も 呼ぶな…」

声がかすれている。

悪態はついたものの、ルイは決して自分を抱く僕の腕や、頬に当てられた僕の手のひらを拒む事はしなかった。
 

いや…
おかしいのは僕の方も同じだった。

なんで僕はここに居るんだ?

なんで僕はルイをこんなに心配しているんだ?

そんな不可解な自分が納得できず、たまらなくなり思わずルイから目を反らす。

「ごめんなさい… やまか… 東洋…」

「ルイ?」

思いがけない ルイの 言葉 
もう一度彼の顔を見ると、今まで見た事も無いような不安そうな瞳で僕を見つめている。

その目はやっぱり
うっすらと涙を…たたえていた。

僕にもたれるルイの呼吸が、ゆっくりと落ち着きを戻していく。  

シャツ越しに体温が伝わる。

何かが伝わってくる。
 

«…東洋…»

(だれ?)
 

「東洋…………」

求められた様な気がした。

あるいは僕の方から欲していたのかもしれないが……

ルイは拒まなかった。
僕もためらわなかった。

僕らはこの時…初めて …口づけをかわした。
 


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この旋律はショパンの「夜想曲」だ…

僕の母さんが好きだったショパン

あの日、空襲の前日に弾いていたのもこの夜想曲
何番なのかは分からないが、母さんはこの曲をよく弾いていた…と思う。

おだやかで

物悲しい

今、特殊棟から聞こえるこのピアノの音色は
母の弾いていたそれに
あまりにも良く似ていた…………

「ルイ…………」

ピアノ科の誰も居ない音楽室。
その中央 黒光りするグランドピアノに向かう土御門ルイの姿。

目をつむり

譜面も無いまま、その曲を奏でている。

「ルイ」
僕は、なんの反応も示さないルイにもう一度呼びかける。

その時、大きく開け放たれた窓から風が吹き込んで

真っ白なカーテンが大きく舞った。

ルイの白い指が止まり、曲が中断される。

自分でそうしておいて、僕はそれを残念に思った。

本当はもっと、聞いていたかった…………

「なんでお前がここに居るの……?」

ルイはこっちを見ない。口調は相変わらずキツかった。

「ピアノなんか弾かないんじゃなかったのか?」
「……他人の為には弾かない …正宗が探せって?」
「命令されるギリはないよ 心配はしてたけど」

「心配ね」

そう言うとルイは卑屈そうに笑い、座りながら初めて僕を見た。
あの特異な 赤い瞳… 

風で少しはマシなのだろうが、夕方とはいえ空調の消えた教室はやはり暑い。

ルイの、いくつか外されたシャツの襟から覗く胸元にも、なんとなく汗が光っている。

「何をしてたか教えてやろうか?」

「何って ピアノだろ?」

ルイは目を閉じた。

 

「僕はこうして 目をつぶって この街のすべての…生きる魂を見ている」
 

…………

「一度その色を見れば忘れない  お前らを攻撃の対象から外す為だ」
「え?………なんの 話 だ?」

「もう……」

「ルイ?」

「もう ただ一つの選択肢も残されていない僕が 君らの世界に希望という選択肢を託す… 全く…不公平な話だとは思わないか?」

僕には理解出来なかった。
ルイは僕になにか答えを求めていたのかもしれないが、僕は適当な返事にすら窮していた。

窓の外から、いつもの巡回機の轟音が響く。

「嫌みだな…… 僕が失敗するとおもっているのか」

そういうとルイは、哀しげに …本当に哀しげに目を伏せた。
泣きそうな 顔だった。


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恥知らずの幸い

他人に干渉するのも、されるのも

僕はそれを心地よしと思わないから

少なくとも自分がそうするのは避けるようにしている。

今年の冬、朱里とつき合う事を了承したのは

あいつが僕の過去について

五月蝿く聞いてこない唯一の女だったって、理由につきる。
(逆に言うと、あいつは自分の事しか頭にない 酷く単純な奴なんだ)

なにもかも悟ったフリして

本当は何も分かっちゃい無いくせに それで失敗して後悔して傷つけて傷つけられてて

恥をかく

そして また 今が正しいって思い込む。

恥をかいて人間は成長していくというけれど

本当に人間は

成長しているのだろうか?
 

「ルイ………」

あいつは鳴滝の«監視»からロストした。

思えば教師の目の届かない所では、たいてい鳴滝の姿がルイの隣に有った気がする。
別のクラスなのにご苦労な事だと やや呆れた気持ちでそれを見た記憶があった。

鳴滝はルイのなんだ?
ルイは何処に隠れてるんだ?

「オレには関係の無い事だろう?」

鳴滝のあの様子

「オレはなんとも思っちゃいない」

薬…………

「オレを拒絶しているのはむしろあいつの方なのに」

«僕を一人残して帰る気か?!»

…………… 知るかよ! くそ!
乱暴に下駄箱を閉める。
上履きを履き替え、昇降口を出ようとした瞬間

僕の足は勝手に

もう一度校内へと動いていった。


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lost

僕はこうして目をつぶって

この街のすべての生きる魂の色を見ている。

もうただ一つの選択肢も残されていない僕が

君らの世界にもう一つの 希望 という選択肢を託すため

ああ全く…

実に不公平な話だと思わないか?
 

ナノニ «東洋» キミハ ナニモオボエテイナインダ ナ…………………

 

【弐】
 

あいつら二人が、なぜわざわざこの学園に転入してきたのか 僕は誰にも、ましては本人にも聞いたりはしなかった。
 

この前の一件をずるずると引きずってるわけではないが

とにかくもうあの二人… 特に土御門ルイには関わらないと決めた。

裕福な華族様の気まぐれにつき合わされて振り回されるのはゴメンだ。
 

学園でのルイは完璧だった……

数学の嫌みな教師が、嫌がらせのように出題した帝都の一流大レベルの問題を、黒板いっぱいに数式を並べて回答し教師をうならせた。

体育も然り。

どんなスポーツも軽々と、人並み以上にやってのける。

極めつけは人間関係だ。
休み時間となればルイのまわりに、談笑の輪が出来る。(これはあいつ猫をかぶっているからなのだが)

ただ僕には… オレには酷く冷たい態度のままだ。

(ルイという人間が オレには分からない……)

まあいいさ。

もう関わらない… むしろそれでちょうどいい…
 


今日はバイトが休みで、放課後は朱里につき合う約束をしていた。

最近の朱里ときたら、やけに転入生の土御門ルイにご執心で、なんと音楽科にはいつのまにかあいつのファンクラブなるものまで出来ているらしい。

(また今日も、オレよりルイの話で独り盛り上がりそうな予感がする…)

めんどうだな…あいつを悪く言うとキレるし…なんか王子様とか言い始めたし…

(大体、あのくそ生意気な奴の何処が王子だ!)


「おい!!」

「っ!!!」

廊下をだらだらと歩いていた所で、走って来た誰かに肩を乱暴に掴まれる。

正宗!
鳴滝正宗 だ。

「貴様!! ルイを何処に隠した?!!」

「は?」

明らかに冷静さを欠いている。180は越えるそいつの肩で息をする様子からは、必死の焦りの様な物がひしひしと伝わって来た。

«監視»
あの日のルイの言葉を思いだす。
もう教室には居なかったはずだ。鳴滝もそれは確認してきたに違いないし…

(ルイは 逃げたんじゃないか?)

なぜ そう思う?

「知らねー!オレが知るかよ! 大体 お前らとオレとはなんの関係もねーだろ!」

(そうさ 知った事か)

「何処にも居ない……」

肩を掴んだ手をゆっくりと離し、鳴滝の端正な瞳に不安の色がよぎる。

「はあ?なんだよ… ガキじゃねーんだから 放っといたってどーって事ないだろ」
 

「昼も薬を飲んでいない……」
 

鳴滝はそう静かに呟いて、オレを睨むように一瞥すると『どけ!』と言って…再び廊下を走って行く。

「…………… 薬? あいつ どっか悪いのか?」

胸の奥が 突然ざわざわし始めていた………


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硝子の心…

「なんですか みっともない!」

ぶたれた痛みはたいした事なかった。

文句を言おうとした刹那…
オレの頬をぶったルイの腕が誰かに掴まれる。

長身のそいつは、昨日もふいに現れた士官学校生だ。
学園の制服…どうやらこいつもここに転入してきたらしい。

いったいいつから

何処から現れたのか

「正宗…また僕を監視してたのか?」

思いがけず、知り合いだろうそいつにルイは鋭い口調を投げつける。

監視って……?

「…心配してるんですよ あなたがこんな…何の家格も無い男を気に掛けたりなさるから」

はっ
家格…家柄ね〜annoy

直球で嫌みだなお前っ!!

「正宗…この僕が庶民など気に掛けるとおもうか?」

「それならば結構です 時間です…帰りましょう」

正宗と呼ばれたそいつはオレには少しも目をくれず、ルイの腰辺りに手を添えながら、オレとルイの間に壁のように割り込む。

まるでオレからルイを

隠すように……

隠す?

あいにくオレは…あんたの生意気なお姫様なんかに、ちょっかい掛ける気はさらさらねーよ。

歩いて行く二人の背を見送りながら、ふと西日差し込む窓ガラスを見る。

「あ れ?」

音も無かったはずだ…
なのにそのガラスに大きなヒビが入っていたんだ。
 


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パーラフレーズ

『ごきげんよう ごきげんいかが?』

『君はどんな花が好き? 僕は香りならラベンダー… でもイングリッシュローズも可憐で素敵さshine

『昨日星空を見上げながら会心のポエムが思い浮かんだんだshine

『お金? そんなくすんだ紙切れに興味なんてないな それよりご覧よ 君の胸の中の見えない宝石をshine

『気付いたらまわりの人間が皆ひれ伏していたのさ 僕の美しさにshine

『そんなゴミのような生活は辞めたまえ!』 

『でもゴミなんて見た事が無い…』

『あはははははは〜shine そ〜うら東洋君 僕をつかまえてごらん あはははははは〜shine

オレの…土御門ルイの気高いイメージが…typhoon↑妄想。
 

「おいっ!!聞いてんのかよ!!」

「ええええ〜……………」

なんか全然ちがう。全然高貴な感じがしない……ような 気のせいか?

「お前さ 部活とかやってんだろ? もうつまんねー案内はいいからそっち連れてけよ」

「ええええ〜……………なんか」

「なんだよ?」

「えらく態度がちがうんだな… と 思って…」

はあ?! 我慢してやってんだよ!! 華族だの土家だのがみがみ言われるから あーっ!! おもいだしただけでも虫酸が走る!!!気持ち悪いっ!!ピアノなんて弾きませんしー!!!

土御門ルイはそうヒステリックに叫ぶと、本当に耐えきれないというように頭をかきむしる……

うわあ なんか へこむ……sweat02

「……で?」
「へ?」

「部活」
赤い目を細めながら、こっちを見た。

「あ〜 残念だけどオレ帰宅部だし もう案内がいいなら帰ってもいいかな」

「なんで? 野球部だって聞いた」

担任が言ったのか…

「去年の話 入って直ぐ辞めたんだ オレはアンタと違って貧乏だから 放課後も暇じゃないんだ」
「なんで?!」

ルイがつかさず同じ言葉を繰り返す。よく分からないが 不機嫌を通り越して怒った様な表情だ。

「ま…アンタには分かんないだろうな? あ 野球部が気になるなら、練習場まで連れてくけど」

「………興味無い」

なんだよ こいつ…

「学園の案内は?」

「昨日まわって殆ど覚えてる 僕は一度見た事は忘れない」

じゃあなんなんだよ!! 何の為にオレを!!

「じゃあオレ…もう帰るから 土御門君はご自由にどうぞ」

自分でも言葉に険があるかなと思う。

「僕を一人残して帰る気か?」
「悪いけど オレはアンタにこそ興味が無いよ アンタの暇つぶしにつき合う程優しくもな…」

パンッ!!「っ!!!」

平手打ち
いったいオレが何をした!!
  


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「べつに…」

「なんでオレなんすか…」

「おい!聞こえるだろーが! お前を直々に御指名なんだよ いいから失礼の無いように学校を案内してさしあげろ!」
 

放課後、僕は廊下で担任につかまった。
担任の背後、少し離れた所に、土御門ルイが壁に寄りかかりながら立っている。

「先生 オレ今日バイトなんすよ… オレ生活かかってんの知ってるでしょ?」
さすがに声を落として、訴えた。

「どうせあのいかがわしいバイトだろーが…黙認してやってる恩を忘れたのか!」

「い、いかがわしくないっすよ!あーもう…まじで勘弁してくれないかな」

担任が振り返り、ルイに愛想笑いをした後もう一度こっちに向き直す。

「おい東洋!…お前 明日オレが原因不明の事故とか変死体とかで見つかったら心が痛むだろーが!」

目が真剣そのものだ…こめかみがひきつている…

「いくら華族様でも…考え過ぎですよ…先生」

甘い甘い甘ーいっ!!!相手は国境軍にも影響のある五経土家だぞ?! いいか?お前もオレも本来ならお言葉すらいただけない立場なんだよ お断りするっていう次元の話じゃないんだ!! 行け!お前が行くまでオレは学校からお前を出さないからな!!!」
 

こいつがここまで小心な奴だとは思わなかった……。
 

まあ、大人の立場上仕方ないのかな…

ため息をついて、ちらりとルイを見る。
窓の外に視線をやり、あまりこっちを気にしてはなさそうだ。

時計を確認して渋々了承する。
担任とのこのやりとりも時間の無駄だ。
 
 

天窓や大きく仕切られたガラス窓から入る夕日で、白壁の多い校内は茜色に反射する。

音楽科の特殊棟からはかすかにピアノの音が聞こえていた。

「こっちが大講義室で となりが資料室… 別棟の図書館に行かなくても大抵ここで事足りると思うよ」

「……………」

御指名の割には、さっきから愛想が悪い。

返事もしないどころか、あいずちも、案内したその部屋をカクニンするでも無い……
不機嫌… なのだろうか?退屈そうにもつまらなそうにも見える。たまに首をまわしたりもしている…
 

イラッ…………annoy
 

昨日会ったときとの印象とは偉い違いだ。 

「つ… 土御門君さ 何かオレ 失礼な事しちゃった かな?」

必死に笑顔をつくり尋ねてみる。

「………べつに………」

べ べつに?!

(どうもおかしい… あの気品に溢れたオレのイメージとは全く違うっ!!)

「なあ山河… お前……」

お、おまえ?!!!!

僕は幻聴を本気で疑ったんだ………

 

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思えば7年前のあの日から、この五経市に空襲警報が響く事は無くなった。
かつては街の至る所にあったゴーヤ畑も、かりそめの平和が訪れた事による人口の流入でどんどん宅地造成されていく。

そんな中、僕が通ったあの畑は、所有者だけを変え青々とした葉と蔦を風に揺らしながら今も同じ場所に残っていた。

高校の寮から歩く途中、遠目にその畑を見る。

その先にはちょっとした林がありその隙間からは古い洋館の白壁が覗いていた。

「酔狂だな… 華族ってのは わざわざ金にも成らないこんな小さな畑を買うなんて」
 

その屋敷は五経土御門家
 
帝都内裏内にある本家土御門の分家だとか。

本家とほぼ同時期から、帝都の鬼門にあたるこの五経に有り、戦国の前から国境防衛の一端を担って来た一族。

「何百年も…全くご苦労様だ…オレなら勘弁だけど」
 

轟々と巡回機が空を巡る。

今朝もいつもと同じ青すぎる程の空だ。

僕はそれを美しいなんて思わない。
幾つもの戦火を冷酷に見つめていたであろうその青に、僕は恐怖すら感じていた。

夜の方が落ち着く。

風俗店でバイトをしている時の店の照明や、それが消えた後の暗闇でも真昼の青よりはずっとまし…
 

その日の朝
今までの僕の日常が一変する出来事

学校に来る途中で土御門の事など考えていたからか
 

担任が黒板に、ゆっくりと正確にその名前を記す。

担任の横に立つ、生徒がうつむいた顔を上げると一瞬の静寂とざわめきが起きた。

おもわず僕も 息を のんだ…

「え〜 転入生土御門ルイ君だ 知っての通り五経土家の御子息だ みんな失礼のないように!」

「やめてください 普通でお願いします。…土御門 ルイです。 よろしく」

担任に冷めた視線を送ったあと、彼は完璧なお辞儀をし その白い手で耳に髪をかける。
 
 
ルイ…
 

今日は士官学校のそれではなく、学園の制服に身をつつんでいた。

それでもその美しさは変わらず

僕の前方の席に着席しようと歩いてくるルイと目が合う。
ただそれだけで僕はドキリとした。
あの花のような口元を思い出す。

けれどその刹那 その赤い目は 冷たく僕から目を反らしたんだ。

 

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多分意識しすぎていたのは、というより向こうは僕に対して何の興味も持っていなかったなかもしれないが…

僕はこの時、あり得ない何かに期待していた。

その士官学校生の表情に嘲笑の様な色が浮かぶ。

ハッとしたのは
その柔和な表情の裏に、冷ややかな…ほとほと呆れた様な感情のようなものを垣間見たからだ。

彼が自分の左胸を指で指す様な仕草をする。

「君の左胸についてるプレートはなんだ?君の名前もクラスもちゃんと記してあるのは気のせいか?」

「へっ?あっ!!!」

「ぷぷーっ!!!やだあ東洋!!!」

格好悪い……

本当
意識し過ぎだ。

「君の彼氏は面白いね?」

「そうなんです〜!意外に可愛くて〜!」

いつもより高い声でしゃべる朱里… 

その横で、嫌みなくらい似合う白い制服で立つ青年の姿

けれど

白い肌に涼やかな目元 その瞼にかかる程の眺めの前髪と細身の身体は、将来将校になる人間としては少し不自然な印象を受けた。

よくよく見ればよく似ているだけで、別の顔

それは 当たり前の事なんだが

そうだ…記憶なんて 当てになる物じゃない…

そもそも別の世界に住む人間
始めから 何の接点も有りはしない。
 

この出会いは偶然
 

ルイ!!
階段の上から、厳しく叱責する様な声

見上げると、またまた士官学校生が僕らを見下ろしている。
世代は同じだろうが、こっちはやたら長身で短髪の 成る程といった感じの奴だった。

「やれやれ お目付役の登場だ… お名残惜しいけど僕はこれで失礼するよ」

«ルイ»…? 

ルイが 少し困ったように 微笑む。

花のように(…………なにを言ってるんだ?僕は)

「ルイ! 軽々しく庶……… 民間人にお言葉をかけてはいけません!!」

華族様といったところか?

戦災孤児と美しき華族様

分かってるんだ…始めから この出会いは幾百分の一という確率で発生した偶然で

二度と僕らにそんなものが

ましてや

他人以上の感情が生まれる事など あり得ない話だった。

 


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出会う

追いかけてくる朱里を無視して、学食から中庭を望む吹き抜けのアトリウムへ出る。

「東洋!!」

朱里の言う通り、ここ五経市に残り、加えて将来的に国の施設に就職でもすれば一生食うには困らない。

これを奇麗事でまとめるならば
親を敵国に殺された仇を討つため、国にすべてを捧げるだとか…自分と同じ戦災孤児をもう生まない為に国境を護るだとか…

例えをそれらを 誇り だと言われたとしても
残念ながら僕は、そんな選択肢を選ぶ程の素直さも、ありきたりな器用さも…全く持ち合わせていなかったんだ。

「ちょっと待っ…っ キャ!!」
「?!」
朱里の悲鳴と、何かにぶつかった様なドスンという音を聞いて振り返る。
 

ループ状になった階段の脇で尻餅をつく朱里と

そのまわりに散らばった、朱里が持っていた譜面

そのそばで手を差し出す 白い…
 

「大丈夫? 立てるかい?」

「えっ?あっ? ごめんなさい!! あ、あたしまわり全然見てなくて!!」

明らかに高揚した面持ちで、差し出された手をたよりに朱里が立ち上がる。

白い、士官学校生の制服?なんで この学校に?

すらりとしたその青年が片手をポケットにいれたまま腰をおり、落ちた譜面を拾う。

「ショパンだね? 君 音楽科の生徒?」

「はっはい!! あの ピアノ専攻で」

「だろうね 夜想曲20番か 嬰ハ短調… 僕も好きだよ」
「ピアノ!弾かれるんですか?!」
「たしなむ程度にね」

開いた中庭の大きなガラス窓から、風が吹き込む。

「朱里…………えっ?!!

僕が驚いたのは

「やあ はじめまして」

士官学校の制服を着た青年の、あまりにも整った顔
その美しさというのではなくて
 

7年前の 僕が空に、敵の戦闘機を見上げた日

 
嘘だろ…?だってそんなわけない!変わらないわけが無い!

あの日から7年も経っているのだから!

「………………」
あの記憶と同じ顔 同じ赤い瞳に 僕はしばし面食らい…何も言えずに口ごもっていた。

青年が僕を視認し、儀礼的な感じで僕に微笑む。

「はじめまして 山河…東洋君?」

「!!」
なんで、僕の名前を?

「ちょっと東洋!!失礼よ!!」
返答もせず木偶人形のように立ち尽くす僕を、朱里がたしなめた。

 

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7年の前と後

『君は運が良いよ』

そう言って、そいつは何処かへ居なくなった。
というより僕は恐怖と、それから解放された安堵感で、その青年にまであまり気がまわっていなかったってのが本当なんだけど…

運が良い?

この僕が?

何年か前の空襲でこの街は甚大な被害に見舞われて
僕はそれで両親を失った。

空だけは何処よりもきっと青い

この、五経市のそれは今もあの時と変わらぬ真夏の色をたたえ

たった一人の僕を押しつぶすように 光る

僕はランドセルを背負って畑の間をまた歩き出す。

「いつか必ずこの国境の街を出て行くんだ」

いつもの誓いを口にする。

空に残った飛行機雲の残像
そこに映る僕の過去の残像
 

あれから
7年

僕は 
この街で17になった。

 
 
高校の学食

「ちょっと聞いてないんだけど! あたし東洋は五経大学希望してるんだと思ってた!」

向かいに座った 井ノ上朱里(イノウエアカリ)がふくれ面で僕を睨む。

東洋というのは僕だ。
山河東洋(ヤマカワトウヨウ) コレが僕の名前。

「何だよ 勝手にお前が決めつけてただけだろ? さっさと食えよ ほら!昼休み終わっちゃうぞ」

「もう食べ終わったの! ねえ!あたしは五経大学に進むって言ったよね? 別れ別れじゃん!つき合ってんのに」

思わずため息が出る。
朱里のこういう所は本当に面倒だ…

交際を申し込まれたとき、一生ずっと一緒だなんて約束はした覚えがないんだけどな。

「大体、東洋だってこの街にいればずっと援助受けられるんだよ?五経大に進めばもっとそれも増えるんでしょ?バイトだってしないで済むんだよ?!」

「………あ〜そういう問題じゃ… もういいからその話は後でしようぜ オレ次移動教室何だよ…食い終わったんなら行くぞ」

うんざりして立ち上がる。

「ちょっと待ってよ東洋!!」
 


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【始】戦闘機の下で

君は僕のスワロウテイル。

あの日僕らが本当に出会っていたのだとしたら
僕らはあの空の下 遠い何処かで いっしょの 夢をみていた
きっとそうだ……
 

【始-青空のスワロウテイル】
 

あれは僕がまだ、10歳だった頃の話

夏の日 小学校の帰り道

僕はいつものように学校の農園にあるゴーヤ畑に寄り道しようとして、昼間の日課のようになった空襲警報を聞いた。

僕の住む町は、「敵国」との国境を丘の向こうに見る事ができる「五経市」。
国境の手前には、軍の施設と基地の広大な敷地があり
またその手前には広い稲穂の丘、緑の海が有る。

『ウーウーウー «第1警戒空襲警報です 民間人は直ちにシェルターに非難してください»ウーウーウー』
電柱に備え付けられた無線から、避難命令だ。

誰も居ない農園
一番近いシェルター迄はここから結構歩く。

「まあいいいや」

僕は呟いて、ひとりゴーヤ畑の中に入り腰を下ろした。

「どうせ国防軍がギリの所で撃墜してくれる… いつもそうだし」

ゴーヤの付けた実はひんやりとして青臭い。その青々と茂った葉の間から空を見上げる。

「?」
見上げて
目に入って来たのは

あのマーク?! 敵国の爆撃機だ!!ミサイルも積んでる!!

僕は慌てて立ち上がる。
空の向こう 三機の戦闘機に守られるようにした真っ黒な爆撃機がこっちへ悠々と進んでいた。

「そんな……」

国境が破れた?この空にあいつらが飛んでるって事はそういう事だ!
 

動いてると狙われるよ それとも君その若さで死にたいの?
 

「えっ?!!誰?!!」

びっくりして声のする方を見ると農園脇の道に、人が立っていた。

高校生位に見えるその青年は、士官学校の真っ白な制服に身をつつんで
笑いながらこっちを見ている。

「あ〜あ〜 空軍も情けないなあ… たかが三機に国境を突破されちまうなんてさ」

呆れ顔、でも余裕の表情で、轟音をあげて迫り来る敵機を見上げる。

「は、は は は 早くシェルターに逃げないと!! あ、あんたも!!」
「おい!動くなッて言ったろ?」

「わっ!!」

恐怖に混乱してゴーヤ畑から走り出した僕の襟首を掴まれる。

「ねえ君 君の夢はなんだい?」

「はっ?! えっ?!」

「子供なんだから夢くらいあるだろ?」

「っちょっと!放せって!!ほらっほらっ!!あいつら来ちゃうよっ!!!」

「教えてくれたら助けてやるよ」

「はっ?!」

そいつは暴れる僕を腕一本で拘束した。
その細い身体のどこからそんな力があるんだろうかと思う程の…

とにかく僕は、わけの分からないこいつに解放されなければならなかった。
でないと僕は、あの爆撃に巻き込まれて死ぬ事になる。

「ゆーめ! ほら 言えよ」
「や、や、野球ーっ!!!プロ野球の選手っ!!!」
「へえ ベタだけど可愛いよ」

その時

頭上で閃光が走り 激しい爆音!!爆風!!

『死んだっ』

目をつむる。僕の頭は一瞬 真っ白になった。
 

ミーンミーンミーン

蝉の声

焦げ臭い匂い

「え…?あ れ」

恐る恐る空を見上げる。

爆発して、匂いと塵を残して飛散したのはなぜか爆撃機を含んだ4つの敵機…

「生きてんだからその位叶えろよな」

やっと僕から腕を放した、白い制服の青年が言う。
「……」
改めて気付く、透ける様な肌 見た事も無い赤い瞳……

「なに こ、国防軍が 撃墜してくれたの?」
「……… まあそう言う事に してもいいけどね」

ゴーヤの葉がザワザワと揺れている。

爆発の熱がやっと地面に伝わって、蒸気がユラユラと揺らめいた。

青年はまた、その整った笑顔で笑い…僕が慌てた拍子に蹴り飛ばしていたランドセルをこっちに向かって放り投げた。

 
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青空のスワロウテイル(設定.3)

今後アップしていく予定のBL小説の設定諸々です。
私の頭の整理的にまとめているメモみたいな記事ですので、今更ですがこのカテゴリに面白みは無いです…多分…

で…

設定.1で描いたイラストがどうも気に入らなくて…ルイと鳴滝を描き直しました。

ルイは大分顔つきを変えました。
若干の脱女顔。…結果あんまり脱していませんが(いたた)
イメージとしましては近寄りがたいほど美しいshine青年(これは私の画では描けませんね〜汗)

鳴滝に関しては、この前のイラストがかなりのふけ顔になってしまったので気持ち若々しく…
拡大してしまったので消えてますが、こちらは士官学校の制服を着せてみました。
絶対白だろー…と思ってたのに最初塗ってみたらあまりの似合わなさにボツです。

search↓クリックででかくなります。

Photo_2Photo_3

 
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青空のスワロウテイル(設定.2)

BL小説設定その2。
主人公をさしおいて何が設定か!!
なんで主人公(攻です…笑)山河東洋のお披露目です。

山河東洋 (ヤマカワトウヨウ)
戦災孤児、高校2年
五経高等学園進学を機に施設を出て学校寮へ
新聞配達から風俗店バイトまでこなす貧乏学生
奨学金で帝都の大学進学を目指している。
性格 地道 
好物 食料ならなんでも
好きな(?)言葉 「贅沢は敵だ」「努力」
嫌いな言葉 「セレブ」
特技 熟女ごろし

※イラストにもあるように、当初「山田」の予定でしたが諸事情により変更しました。
search↓クリックででかくなります。

2

 
 
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青空のスワロウテイル(設定.1)

梅田ウメキチです。
新しいBL小説の設定第一弾です。
(全くたいそうなもんではないのですけど…しかも主人公のイラストじゃないしcoldsweats02

日本と似て非なる仮想の国、帝都の北東に位置する仮想の街「五経市」
稲穂畑の向こうに望む、軍の施設とその先にある敵国との国境
毎夜、空に流れる無数の流れ星

【登場人物】
右:土御門ルイ(スワロウテイル06)
五経土御門家5男
高校2年(兼五経市士官学校高等科在学中)
身長173
成績スポーツ優秀
性格 ツンデレ要素強し… 我が儘 
好物 鳴滝の作ったレモンパイ
特技 中年ごろし

左:鳴滝正宗
鳴滝本家2男
高校2年(兼五経市士官学校高等科在学中)
身長185
成績スポーツ優秀 家庭科超優秀
性格 寡黙
好物 特に無し
嫌物 にんじん たまねぎ ぴーまん 
嫌人 山河東洋(ヤマカワトウヨウ←この作品の主人公)
任務 学園生活でのルイの警護

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7月号の罪花罰!!(サク)

罪花罰連載開始以来の最高傑作か!!

今月は薔薇紋店長に負けず劣らず、変態度ではひょっとして上をいかれているかもしれない、蘭のお父様『荒縄縛裸隷男』先生登場!!(打ち込むのめんどい…sweat02

typhoon布団の中の、美中年typhoon

ぐっぐはっあ(悶絶の血反吐)!!!耽美過ぎるよっ 

それが3人に増殖し…そして芋虫オチ!!イモムシって…

思うに三上先生は天才に違いないです!!発想が神クラス!!(笑)

今回面白すぎて私涙shineでました…

荒縄先生の前では蘭君なんてカワイイもんですな。
先生も蘭君もネコだそうです…………(細かく言うと先生はドネコとのこと)

ふっ… SQ(少年誌ですよね…)でネコやらタチやらのBL用語(?)が乱れ飛ぶとは。
しかもそれに突っ込む桔梗!!
知ってるの?!純ケツなのにっ
ははは
まあ、ああいう環境に浸っていれば自然に学んで行く事もありましょう。

いいなあ
私も少年耽偵男読みたいです(艶麗なる美中年に会いたい…笑)

SQさん 付録つけてくれないかな。もういっそSQはそういう方向でshine(どういう方向だ)

月末にはWJに出張ですって!(WJコード的には大丈夫なのか?まあいいけど)
うおうっ来月には1巻も発売しますし〜heart04
カラーもあるらしく素敵…

おかげで夏までテンション上げっぱなしでいられそうです。つーか上げなければ成らない……
しかしやっぱ同人本ぽい熱さがあるなー罪花罰は…
スゴいですよ〜うん。

あ、男装茶屋にも興味大です!〜女侍だしね(萌)


 

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夏コミ!!!(ウメ)

夏コミのスペースとれました=happy02
同人活動は今年に入ってからサボりにサボっていたので… なんか戒め的に落選するのでは〜と思っていたので(苦笑)喜びもひとしおですっ!!

………あとは仕事をどうやって休むかだっ!!(←こんな社会人はいけません……)
早速友人に売り子を打診… 即OK!! ありがとーshine

夏は暑いよ…冬も寒いけど
ビッグサイトのあの空調には毎回苦しめられているので要注意です。
あとみんなたいてい朝