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治った!

未だバイトへ行くにも時間がある。

教室を飛び出して、寮へ帰る気にもなれず

何となく歩いた先が

あの ゴーヤ畑 だった。
 

(この前来た時より大分伸びてるなあ…)

ゴーヤの青々とした葉や蔓を見て、改めてその生命力に感心する。
 


 

ふいに畑の奥に目を遣ったその時だ。

「ん?!」

茂る葉がなにやらガサガサと風ではない音を立て始めた!
獣系?!…いや待て待て

確かに田舎だが…山から大分離れたこんな所に出るなんて聞いてないぞ?!
思わず身構え、目を凝らす。

そして不敵なガサガサ音がどんどん近づいて来て…………

何かが

飛び出して 来 た !!
 

わあっ!!!

…………………………っ!!!!とうよう?!

「へ?」
 

一瞬身じろいでしまった自分がなんだか情けない……

そこに立っていたのは
ゴーヤの実を両手いっぱいに抱えた

士官学校の制服姿の土御門ルイだったんだ!!

「な、…なんでルイがここに居るんだよ?! お前 大体身体……」

「治った!!ちょうどいいや!!東洋これを持て!!」

ゴーヤの山を無理矢理オレに押し付ける。
青臭い匂いがやたらに鼻につく…

「治ったって… お前… つ、つーかこれ人んちのゴーヤだろ?!お前何勝手に収穫してんだよ!!annoy

「僕がゴーヤ泥棒だとでも言うのか?失敬な奴め…」

「だってそうだろ?!お前にここまで常識が無いとは思わなかった!!」

ここでルイが僕をキッと睨みつけ、思い切り息を吸い込み チャージ する。
 

この畑は 僕の 所有物だ!!
 

な に?!
何処かの華族が買い取ったていうのは……

「し… 知らなかった…………」

でも なんで………

「せっかく貧乏にあえぐ東洋の為に食材を調達してやったというのに… まあいい 僕は寛大なんだ」

「え?」

「それにしても随分と下校が早いじゃないか 先に行って驚かせる計画が台無しだ」

「先に…って ど、何処へ」

「今日からお前の部屋に泊まるから!!腹が減った 何か食わせろ」

「は…はあ?!!

理解に苦しむオレをその場に置いて
ルイは一人、畑添いの道を悠々と歩いて行く。
 

「泊まる…?オレの部屋に?は?!」
 

オレは混乱しながら、構わす歩き始めた鼻歌まじりのルイの背中を

ゴーヤを抱えながら追いかける事にした。


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