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ただ一つの答え

「東洋 東洋!!」
「……は はい!」
「なにボーッと突っ立ってんだよ!司サンのテーブルにこれ持ってって!」
「あ、すいません」

バイト中もずっと後悔してる。

必要以上に大音量の店のBGM、いつもはそれが何よりも嫌だったのに
なんだ今日は音が耳に入ってるかどうかも分からない。

「おっせーぞ! 東洋! 松崎のお姉様がお待ちかねだろーが!」

「すいません」

「あらあ? どうしちゃったのよ〜東洋君〜 お顔怪我してるじゃない?」

「あー… ちょっと転けちゃって」

「ベタだなー東洋!!顔からダイブかよ!!」

「ハハハ……………そっス。」

「じゃ松崎のお姉様。今夜はこいつの間抜けな顔面完治に乾杯させてもらっても良いスか?」

「ホホホ じゃあ新しいボトル開けなきゃね〜!」
「やった!東洋!!ドンペリ一本!!」

「は、はい………………」

「ドンペリ入りましたあ!!」
「ホホホホホ」
「出るぞ!司サンのドンペリの舞が!」

ドンペリ………
あいつ今頃ちゃんと家に帰れたのだろうか?

一人で飯も満足に食えないあいつ…

なんか悪いもん拾って食ったり

車にぶつかって怪我したり

チンピラに喧嘩売ったり

お菓子につられて悪い奴に誘拐されたり…………
 

まさか

子供かっ……!!

けど
 

『兄上は僕に死ねと言ったけど……』
 

あいつの家には泰親が居るんじゃないのか?

冗談だろ?
だって実の弟に、本気でそんな事言う兄貴が居るか?

あの時、鳴滝の前に引き抜かれた、あの白光る軍刀

カナリアはどうなった?

逃げようと思えば、いつだって逃げられたあの可哀想なカナリアは…殺されて地に落ちたんだ…


「おいこら!東洋!何処行くんだよ!!」

「すいません!!今日上がります!!」

「てめannoy!こら!オレの舞の途中に!!」
 

何を迷ってたんだオレは!

答えは一つだったはずだ…

その後はどうにだってなるんじゃないのか?

結局オレは、自分の保身だけ考えてたんだ…

戦争を直視しない平和ぼけした奴らを軽蔑しながら

それ以下のこの最低な状況……

泣いてるあいつを放ったらかしにして………

答えは
ただひとつ

「ルイ………」 

オレはルイが 好きだ 。

 

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